それぞれ住んでいる街によって、ゴミの出し方はことなります。ずいぶんむかしはゴミの分別はおおらかで、どこの街でも回収に来る日が決まっているほかは、細かいきまりはそれほどありませんでした。エコロジーの考え方や、廃棄物埋め立ての限界が明らかになってきてからは、各地の自治体でゴミ分別のルールが作られていき、リサイクルできるゴミの回収方法や粗大ごみの有料化、専用ゴミ袋の販売などが始まっていきます。いま現在は、リサイクルできるゴミは資源ごみと呼ばれ、そのほかのゴミは生ゴミなどの家庭ごみと、やはりリサイクルに回されるプラスチックごみに大別されて回収されています。資源ゴミは、自治体にもよりますが、おおむね以下のように分けられています。古紙、古布、ペットボトル、スチール缶、アルミ缶、びん、新聞紙、そしてプラスチック類です。
新聞紙は専門の古紙回収方法がある場合が多く、また、プラスチックトレーや牛乳の紙パックなど、スーパーで回収している資源ごみも見受けられます。回収の効率をよくするために、こうした資源ゴミは地域やマンションごとにおなじ曜日で出されている場合が多いです。こうすると、古紙回収やスチール缶、アルミ缶などの回収業者が、毎日おなじゴミ捨て場を頻繁に巡る必要がなくなり、スムーズに仕事が出来るのです。とくに古紙回収の業者は、ほかの資源ごみの回収に比べて、重量がはるかに重くなります。容量もかさばり、回収と運搬にかかる手間ひまは、おそらく資源ごみの中でいちばんでしょう。そこで、古紙回収の中でもとりわけ数と量が多い新聞紙に限っては、自治体ごとのルールが決まる以前から、独自にリサイクル回収が発展してきました。新聞を取ったことのある人なら、毎月一度、家の前やマンションの出入り口に前の月の新聞を出すのが習慣になっていたはずです。回収のトラックがやってきて新聞をすべて引き受けていくかわりに、リサイクルで作られたトイレットペーパーを置いていってくれる仕組みです。新聞の古紙回収はかなりの歴史があり、顧客サービスの一面があるので、まとめて出せばきちんと対価がもらえる、理想的なリサイクルの仕組みになっています。
それ以外の、自治体がおこなっている古紙回収の仕組みは、まだまだ新聞ほどに進んでおらず、対価が出るにはいたっていませんが、新聞回収をひとつの教科書に、少しずつリサイクルの輪が広がってきているので、市民が協力して発展させていきたいものです。